
人も猫も細胞の核と呼ばれる部分に染色体があり、1本1本の染色体をほどくと2重らせん構造のDNAがあります。
誰しも一度は目にしたとがあるかと思います。
染色体の中のDNAが遺伝子として働いています。
遺伝子には劣性遺伝と優性遺伝の2種類があります。
よく誤解されていますが、優性だから優れている、
劣性だから劣っている、という意味ではありません。どちらかが優位、ということです。
最近は劣勢遺伝を潜性遺伝、優性遺伝を顕性遺伝と言う言い方をする方もいます。
今回こちらでは劣勢と優性で話していきます。
DNAの配列異常が遺伝子疾患の原因になることがあり、これを変異(遺伝的変異)と言います。
変異が生じる原因は様々ですが、確率は低いものです。
DNAの配列の中にはたくさんの変異が含まれ、変異を持たない人も動物もいません。
さて、ソマリの遺伝子疾患についてはPKとPRAがあります。
どちらも劣性遺伝になります。
当キャッテリーでも
PK Deficiency とPRA-CEP290、PRA-CRXの遺伝子検査を実地しております。
検査結果は3つのパターンがあります。機関によって表現が違います。
クリア(ネガティブ):遺伝子が二つとも変異を持っていない状態です。
キャリア:2つの遺伝子のうち1つが変異を持っている状態。遺伝子疾患の変異が劣性(潜性)の場合、発症する事はありません。
アフェクテッド:遺伝子が2つとも変異を持っている状態。全ての猫が発症する場合と一部の猫が発症する疾患があります。
ブリードについての考え
純血種のブリーディングは何世代もかけてそのブリードの理想を追求していくことです。
遺伝子疾患についてアフェクテッドを出さない繁殖を心がけていくことで、キャリアを減らし最終的にはキャリアが殆どいない状態に近づけて行きます。しかしこれは世界中で行われていますが、とても長い時間と労力がかかります。
健康なキャリアを積極的に排除する事によって別のリスクも生まれます。
こと純血種のブリード、ソマリは特に言えますが世界でも遺伝子プールが狭いためブリーディングストックの数はとても重要になってきます。健康なキャリアを排除しすぎるとブリーディングストックの不足を導き、それによる近親交配が別の遺伝子疾患の増加を招いてしまう可能性さえあるのです。
近親交配は遺伝子疾患の増加を招く恐れもありますが、奇形やひ弱、極端に
PKとPRAのこれらは劣性(潜性)遺伝のためキャリア×クリアの交配をする事があります。
。
しかし、生まれてくる子猫達はキャリアかクリアで発症することはなく、普通に生活を過ごします。
私の家にも昔迎えたペットのソマリがいますが、調べたらキャリアでした。今も普通に元気に暮らしています。
劣性(潜性)遺伝のキャリアはペットとして飼育する事になんら問題がありません。
キャリア×キャリアでもクリアがでる確率は25%ありますが、アフェクテッドも25%の確立になるためしません
親猫としてキャリアを減らしブリードをしていく事がブリーダーの役目だとも思っております。
ソマリという種族からいつかPKやPRAの疾患が生まれないようにするために世代を経て労力を惜しまず
ブリーディングしていきたいです。
ネガティブ同士だからと近親交配をすれば奇形や他の遺伝子疾患、病気が生まれる可能性のリスクが高くなります。
世界中のソマリで健康なキャリアを排除すればソマリの存続は難しくなります。
当キャッテリーでは親猫の遺伝子検査をしつつ、近親交配も避け、遺伝子疾患の発症がない、つまりクリアかキャリアの産出をしております。
現在当キャッテリーでは数年かけて全頭ネガティブにしましたが、
新たに入れた1頭がキャリアでした。これからまたネガティブの後継を残していく作業となりますが、生まれてくる赤ちゃん達は遺伝子疾患の発症とは無縁です。
たまにネットの情報でキャリアは無症状もしくは軽い貧血と書いている
当キャッテリーの猫達へのご質問はいつでも大歓迎ですので、疑問に思う事はお聞きください。
例えばUC Davisで検査すると
遺伝様式:常染色体劣性
対立遺伝子:N =正常、K = PK欠乏症
結果の説明:
-
N / N遺伝子型の猫はPK欠損症になりません。彼らはこのPK欠損変異体を子孫に伝えることはできません。
-
N / K遺伝子型の猫はPK欠損症ではありませんが、保因者です。彼らはこのPK欠乏変異体を彼らの子孫の50%に伝達します。25つの保因者間の交配は、<>%のPK欠乏症の影響を受けた子猫を生み出すと予測されています。
-
K / K遺伝子型の猫はPK欠損症になります。症状の重症度は予測できず、変動する可能性があります。彼らはこのPK欠損変異体をすべての子孫に感染させます。